三千本にかわに代わる「和膠」のご紹介
本年年頭のあいさつで、唯一の三千本にかわの生産者であった清恵商店さんが生産を中止 されたことをお知らせしましたが、最近これに代わる和膠の発売が伝えられましたので、 ご案内申し上げます。

元々、和膠の品質の低下を危惧しておられた文化財補修の専門家が、国内の洋膠生産者の 協力を得て、近年(昭和初期以降か)の洋膠生産技術の影響を多く受けたの生産方法では なく、明治期やそれ以前の「にかわ」のように、添加剤や過酸化水素はもちろんのこと、 石灰も酸も使わず、しかもすぐれた品質の和膠を造る技術の開発に取り組んでこられたと のこと。 清恵商店さんと入れ替わりに、 少量ではありますが 冬期に生産された高品質の にかわを、やっと販売されることになりました。商品名は「牛皮和膠」です。

三千本膠のようにスティック状ではなく粉末タイプです。しかも接着強度に優れた「葵」 油脂分の多い「楓」の2種類があります。各々単独での使用はもちろんですが、この2種 をブレンドすると、お好みの接着強度と油脂分の「にかわ」を使うことが出来ます。

100グラム入りの小売価格が、2100円(消費税込み)と非常に高いこと、スティック状 でないことなどから、これまで三千本にかわを使っておられた方がすべてこれを使われる とは思えませんが、化学物質を全く使わない優れた和膠が必要だという分野の皆様には、 かけがえのない製品が出来たと考えています。

上羽絵惣さんという京都の画材を扱う会社が販売元ですが、馬場健商店でも販売すること になりました。ババケン大阪店までお問い合わせください。

2011年9月

株式会社馬場健商店 代表取締役 馬場健一


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